米B29爆撃機「エノラ・ゲイ」が昭和20年8月6日、
広島に原爆を投下した当日の飛行記録が米国で
競売にかけられ、35万8500ドル(約4000万円)で落札された。航法士を務めたセオドア・バン・カーク大尉が飛行速度などを記録したもので、「爆弾投下 0915 15」(日本時間午前8時15分15秒)など、約12時間の飛行状況が、発進地のテニアン島時間で克明に記録されていた。
カーク大尉は戦後、米国で日本のジャーナリストらの取材に応じているが、今回の飛行記録はこれまで存在が明らかにされていなかった。
オークションは、テキサス州に本社を持つ大手競売会社「ヘリテージ・オークション・ギャラリーズ」が開催。航法用紙に鉛筆で書き込まれた記録のほか、テニアン島帰還後の様子を写した
写真2枚が出品された。
飛行記録には、エノラ・ゲイが午前2時45分にテニアン島を発進してからの高度、速度が書き込まれていた。飛行中、サイパン島北部の空域などで、計3回にわたってコンパスを調整したことが記録されていた。
記録備考欄には、原爆投下後に「目標の
サークルE」などの書き込みが確認できる。帰途の飛行では、午後0時19分に
硫黄島上空を通過し、同2時58分にテニアン島に帰還したことがしるされている。
写真はテニアン島着陸後に滑走路で
撮影されたカーク大尉ら搭乗員と、基地内の施設内で行われた会議の模様を写したものだった。
ヘリテージ社では、35万〜45万ドルでの落札を見込んでいた。応札は1件しかなく、最
低価格に近い金額での落札となった。落札者については、明らかにされていない。(Sankei web)